いずれ禁煙しようかな…と考えてはいるものの、疲れたり嫌なことがあるとなんとなく皆が集まる喫煙場所に出向いてはちょっと一服してしまう・・・そんな人は多いのではないでしょうか。なかなかきっかけが掴めないまま禁煙できずタバコを吸い続けると、自分だけでなく家族や周りの人も健康な身体を失ってしまうことになるのです。禁煙するなら、今です!早ければ早いほど、健康は取り戻されます。
タバコの煙に含まれる化学物質は4,000種類
そのうち、発がん性物質は、なんと40~60種類。また、喫煙者が吸い込む煙を主流煙といい、タバコの先から出る煙は副流煙といいますが、副流煙には、主流煙の2.8倍の量のニコチン、4.7倍の一酸化炭素が含まれています。低タールタバコでも、より多くあるいは頻繁に吸っていれば、その有害さは、高タールタバコの喫煙と違いがなくなります。
例
- ペンキ除去剤に含まれるアセトン
- ライター用燃料に含まれるブタン
- アリ殺虫剤に含まれるヒ素
- カーバッテリーに含まれるカドミウム
- 排気ガスに含まれる一酸化炭素
- 工業溶剤に含まれるトルエン
タバコがもたらす健康被害
1)心血管疾患
喫煙は心筋梗塞、脳卒中、突然死、末梢血管障害といった心血管疾患の発生率を高めることがわかっています。
●虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)
●心筋変性
●大動脈瘤
●動脈硬化(下肢の動脈の慢性閉塞症等)
●脳血栓
●その他の脳血管障害
2)がん
●肺がん:喫煙開始時が若いほど肺がんにかかる危険が高くなります。
●喉頭がん
●口腔・咽頭のがん
●膀胱がん
●食道がん
●胃がん
●膵がん
●肝がん
3)タバコ病
喫煙によるがん以外の肺疾患で最も多いのは、慢性気管支炎と肺気腫を含む慢性閉塞性肺疾患(COPD (Chronic Obstructive Pulmonary Disease))です。
呼吸がしづらくなる呼吸器の病気で、タバコ病とも呼ばれます。
慢性的に咳・たんが出る
息切れがする
タバコを吸う、または吸っていた
このような方は、COPDの可能性があります。お気軽にご相談ください。
4)消化器疾患
●胃潰瘍
●十二指腸潰瘍
●膵炎
●肝炎
●歯周病(歯槽膿漏等)
スモーカーズ フェイス
タバコを吸っていると皮膚のハリがなくなってきて、目じり・口周りなどのしわが増えます。歯や歯ぐきの着色、口臭、白髪、頭髪の脱毛なども伴い、実際の年齢よりも老けて見えてしまうのです。
このような喫煙者に特有の顔を「スモーカーズ フェイス」と呼んでいます。
禁煙したほうがストレスは軽減
禁煙をためらう理由として多くの方が、「禁煙するとストレスがたまる」ことを挙げます。
血中のニコチンの半減期は約30分です。ニコチンの濃度が下がると、怒りっぽくなる、イライラするなどの禁断症状が出てきます。タバコに火をつけます。喫煙開始6、7秒後には脳にニコチンが到達して禁断症状は治まります。そして1時間も過ぎないうちにニコチンの血中濃度が低下して、またたばこを吸いたくなります。
これは、タバコを吸うことでストレスが軽減されているのではありません。ニコチンには麻薬にも劣らない依存性があります。ニコチン依存症という病気により、禁断症状という余計なストレスをかかえてしまっているのです。ニコチン切れにイライラしたり、吸える場所を探したり、火の始末が気になったり・・・。
実際に禁煙を始めるとストレスは増えず、むしろ軽減するはずですよ。
受動喫煙による害
喫煙者が吸い込む煙を主流煙といいます。それに対し、タバコの先から出る煙は副流煙です。
副流煙と呼出煙(喫煙者が吐き出した煙)に暴露されそれを吸入することを受動喫煙といいます。副流煙には、主流煙の2.8倍の量のニコチン、4.7倍の一酸化炭素が含まれています。
夫の喫煙で、妻の肺がんリスクは約2倍
小児や慢性的にタバコの煙にさらされている人では時に重大な被害をもたらすことがわかっています。受動喫煙は、成人の慢性呼吸器疾患に罹患するリスクを25 %(10 ~43 %)、小児の急性呼吸器疾患に罹患するリスクを50 ~100 %も増加させます。空気清浄機は、タバコの臭いは除去しても、有害物質を全部取り除くわけではありません。
受動喫煙により、タバコを吸わない人の健康も損なわれるのです。
妻のリスク増加
脳卒中
肺がん
慢性閉塞性肺疾患や肺気腫などの既にある呼吸器疾患の悪化
喘息の誘発と悪化
動脈の損傷、脆弱化、血栓
心筋梗塞、狭心症
妊娠:低出生体重児または妊娠期間に比して小さい胎児
早産
子どものリスク増加
中耳炎(慢性中耳炎)
呼吸器感染症(気管支炎、肺炎)
喘息の誘発と悪化
慢性の呼吸器症状(喘鳴、咳、息切れ)
肺機能の低下
ヘモグロビン、冠動脈への悪影響
乳幼児突然死症候群(SIDS)